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エコチル調査のデータを用いた妊娠初期の赤血球指数と周産期メンタルヘルスの関連についての研究

近年、産後の貧血や鉄欠乏が産後うつ病のリスクとなるエビデンスが蓄積されていますが、より早期の鉄欠乏と周産期メンタルヘルスとの関連についての研究はまだ乏しいと言えます。

私たちはパイロット研究にて、妊娠初期の「貧血のない鉄欠乏(non-anemic iron deficiency)」がある場合、妊娠中期から産後1ヵ月にかけてうつ症状が悪化することを示し、論文発表しました(Ohsuga T, et al. JOGR, 2022)。

それを踏まえて、鉄欠乏が進行する際にヘモグロビンの低下に先行して赤血球指数が低下することに着目し、妊娠初期に赤血球指数が低い女性は、妊娠中に鉄欠乏がさらに進行し、周産期メンタルヘルスが悪化するリスクとなるのではないか」という仮説を立てました。エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)の約10万人の既存のデータを活用して、これを検証してまいります。

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