私たちは、
女性のこころ、からだ、くらしを
みつめて、ささえて、かんがえます。
女性のヘルスケアをとおして、
社会の、あなたの、そして私たちの
あしたをのぞんで。
産婦人科医は女性生殖器(子宮や卵巣など)の専門家でありそのような臓器に発生する病気の治療を担っていますが、当研究室はその名称の通り、病気だけではなく「健康」にもフォーカスをあてています。「女性の健康を底上げする」ためにはどうすればよいかを考えるために、女性生殖器とこころ・からだの相互作用に着目して、臓器だけではなく「個」全体を見つめます。そして生活とのつながりや社会とのつながりをも視野に含めたアプローチを考えます。
当科ヘルスケア外来ではエビデンスに基づいた女性特有疾患の標準的治療を実践していますが、その診療経験を通して、症状軽減・健康回復・疾病予防のためには薬物療法だけではなく患者さん自身の主体的なセルフケアがいかに大切かということを実感してまいりました。女性たちが適切な医療情報を得て「なりたい自分になるための行動を自分で選ぶことができる」という自信、すなわち自己効力感をはぐくむ方法を探ります。
私たちは産婦人科の診療現場で出会った患者さんたちのリアルな声と願いを最大のモチベーションにしていますが、診察室での治療だけでは解決しない健康課題がたくさんあることも日々学んでいます。産婦人科学の知見を基盤にし、精神医学・脳科学・公衆衛生学・保健学・情報学など各領域の専門家や企業と連携して新しい知見を得、新しい診断・評価と治療・ケアの方法を開発していきたい思います。